電子工作初心者がジャンパーピンで回路作成

 6. 回路に流れる電流値とLEDの明るさの変化をCdSで測定

目的

前頁では、発光色の違うLEDは光るのに必要な電圧がそれぞれ異っているということがわかった。では、LEDの明るさは何で決まる? どう調整する? ”電流の大きさ”、だそうだ。大きくすると明るく、小さくすると暗く光る。”電流を大きくする”には”抵抗を小さくする”、これはわかる(オームの法則:一定電圧なら電流と抵抗の大きさは反比例する)。この方法では発光色も変わるという問題があるらしいが、ここではまず電流値を変化させると明るさがどう変わっていくのか、目で見て実感したい。そして、”明るくなった、暗くなった”というだけでなく、それを少し定量的に考えたい。LEDの明るさ変化を測定する装置など勿論持ち合わせていない。そこで、光センサの一種であるCdSと抵抗計モードのテスターを組合わせて”簡易照度計”(ちょっとおおげさ)として機能するかを試し、LEDの明るさ変化を数値化しようと試みた。なお、LEDの発光色が変わってしまうという問題は、「PMW信号」法では解決されるとのこと(ピンとこない、むつかしそう)。

材料と方法

①白色LED(OSPW5111B-QR):5mm砲弾型。Vf:1.8-2.6V at 20mA、If max = 50mA。
②抵抗(1/4W炭素被膜):330Ω、2kΩ、3.3kΩ、4.7kΩ、10kΩ、15kΩ、27kΩ、51kΩ、75kΩ、200kΩ(秋月電子)。
③CdS(硫化カドミウム)セルはGL5516(直径5.1mm、明抵抗:5k~10kΩ、暗抵抗:0.5MΩ、40円/個、秋月電子)。
④電流などの計算と作図は、フリーソフト"Apache OpenOffice 表計算(Calc)"を使った。
⑤その他は前頁( 5.発光色の異なるLEDの順電流と順電圧の測定)と同じ。

回路電流の測定:白色LED/ジャンパーピンボード/4V電源に各値の抵抗を順次挿しかえ、抵抗器にかかる電圧を測って電流値を求めた(電流[mA] = 抵抗器電圧(V)÷抵抗値[kΩ])。

結果と考察

白色LEDを使い、電源電圧4Vで電流制限抵抗を0.33kΩ~200kΩまで10段階で変化させた時の明るさを目で観測した(明るく輝いている時に上から直視すると目を傷める恐れがあるので注意が必要)。なるほど!抵抗値を大きくする=電流値を小さくしていくとLEDはだんだん暗くなっていくのがわかった。200kΩ(0.007mA)ではかすかに点いていると分かる程度だった。電流(抵抗の電圧から計算)は、3.6mAから0.007mAまで低下していた。確かにLEDの明るさは電流に依存していた。しかも、意外に小さな電流でもLEDは光るのだな、というのが実感だった。

抵抗(kΩ)電流(mA)CdSの抵抗値(kΩ)
0.333.5760.15
2.00.6350.30
3.30.3940.40
4.70.2770.50
100.1400.80
150.0941.10
270.0521.35
510.0281.80
750.0192.00
2000.0072.40
  電流が多く流れるとLEDは明るく光る、視覚的には分かった。ではどのくらい電流が変われば、明るさはどの程度変化するのか?グラフか何かで表す方法はないだろうか?計測機器としては手元にテスターがある。LEDの明るさを電圧・電流・抵抗のいずれかで検出できればテスターで数値化できる。調べてみると、当たる光の量(明るさ)で抵抗値が変化するCdSセルというのがある。これを使って、抵抗値変化→電流値変化→LED明るさ変化→CdS抵抗値変化→テスターで測定、とすればLEDに流れる電流値と明るさの関係をグラフ化できるはずだ。

06 CdS cell2 CdSセルは明るい所では小さな抵抗値を、暗いと大きな値を示す特徴がある。使ったCdSセルは、明るい窓際で0.05kΩ、指でセルを隠したときは3kΩを示した。左画像に示したように(写りが悪くてすみません)、LEDとCdSを黒いゴム状物で光が漏れないように繫いだ。これは、手持ちのイヤホン・ピースを加工したもの。実際にはLED底部から光が少し漏れるが、今回は明るさの相対変化を観測する目的なのでOKとした。次に、LEDはジャンパーピンボードに、CdSは抵抗モードのテスターに繫いで装置とした。

06 souti 06 CdS graph
  視覚実験と同様に抵抗値を10段階に変化させてCdS抵抗を測り、グラフ化した。上の表に示したように、LED電流の範囲は非常に大きいし、CdSの抵抗値も明るいほど小さいので、そのまま図示すると電流値と明るさの関係をイメージしにくい。そこで、電流値は対数表現し、CdS抵抗値は逆方向表示して直感的にわかりやすくした。
  CdSセル応答がほぼ飽和していると思われる一番明るい点を除くと、CdS反応(明るさ)は電流の対数値と直線関係にあった(y=0.48ln(x)、この数学的表現はあっているのかな?心配)。グラフは”流れる電流が大きくなると、LEDは右肩上がりに明るくなっていく”ことを示しており、LEDの明るさは電流の大きさに支配されていることがよくわかった。

ブレッドボードが”既存の穴”に部品を挿して作るものだとすれば、ジャンパーピンボードはその”穴”を伸ばして回路化する、という違いがある。簡便性・とっつきやすさにおいてはブレッドボードにやや分があるかもしれない。しかし、上に述べたように”ジャンパーピンボード”は半田操作なしでしっかりと”電子回路”を作製した。しかも、安価でコンパクトだ。さらに応用範囲を広げ、実用性を示していきたいと思う。

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次頁ではトランジスター(三端子)を組み込みます。

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